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 誰でも使えるパソコンになるには (1999 11/23)


 最近はやりのオールインワンパソコンというのがあります。[買って来たらすぐに使えるパソコン]ということになっているんですが、箱を開けてスイッチを入れたらすぐに使えるわけではなくて、まずはじめに行わくてはいけないことがあります。[WINDOWSのセットアップ]です。

 WINDOWSがインストール済みのパソコンでも、必ずこのセットアップだけはやらなくてはいけないようになっています。使用者名等を入れて、[次へ]のボタンをクリックするだけの簡単な作業なんですが、この作業ですらもパソコン初心者は戸惑ってしまいます。セットアップや、インストールという概念が初心者にはないのだから当然といえば当然です。この時点でパソコンを購入したショップに電話をかけてしまう人もいるでしょう。

 この程度の作業も人に聞かなければわからないパソコン初心者が悪いんでしょうか?それは違うと思います。結局、初心者向けのオールインワンパソコンといっても、本当の初心者にはまだ敷居の高いものであるということです。だいたい、セットアップが終了したら、その後は何をやればいいのか悩んでしまうのが初心者だし、マニュアルには「パソコンを買った人が何をやればいいか」までは載っていません。せいぜい、「こんなことが出来ます」ぐらいでしょう。やはり目的意識をもってパソコンを始めないと、ただの箱になってしまうのはいまだに変わっていません。テレビ番組を見たいからテレビを買う。それを録画したいからビデオを買う。といったように、目的がステップアップしていけば、気が付いたらテレビとビデオの操作ができるようになっているんでしょうが、何でもできるような気にさせる^^;)パソコンを買った場合はそうはいきません。

 いきなりワードから始めたい人もいるし、作曲をやりたい人もいるかもしれません。ワードをやりたい人はワードの操作以外にはプリンタの接続方法や印刷の設定を覚えなくてはいけないし、作曲をやりたい人は、作曲ソフトの操作以外に、MIDIという概念や、ハードディスクレコーディング、MIDIキーボードの接続方法を覚えることになるでしょう。これはつまり、WINDOWSのデバイスやその認識方法について多少なりとも勉強することになってしまいます。

 いずれ、本当の「誰にでもすぐに使えるパソコン」というのが登場すると思います。しかしそれは今のパソコンの姿とは全く違うものになっているかもしれません。「誰にでも」ということを考えれば、キーボードやマウスはなくなっているでしょう。音声入力はあたりまえで、ひょっとすると使用者の思考を読んで、文字を入力したりできるようになるかもしれませんね。もちろんソフトやOSなんて気にする必要はなくて、HDDやメモリの容量なども考えずにすむようになるかも。ただしそれを、「パソコン」と呼ぶのかどうかはわかりませんが。

 もうちょっと現実的に考えて、OSだけをパソコンにインストールして、ソフトは全てネットワーク上から起動する、というのはどうでしょうか?もちろん今の100BASE/TXぐらいのネットワーク速度が家庭に入ってこないと難しいですが、月2〜3000円程度の料金で常時接続が実現できれば、家庭にあるパソコンがネットワークに接続しているのはあたりまえの状態になると思います。
 ソフトのバージョンアップは自分で行う必要がないし、OSのバージョンアップも全てネットワーク経由で行えます。もしパソコンが起動しなくなっても、データはネットワーク上に全て保存してあるし、最低限の機能だけで起動するリカバリーCDROMを使って起動し、ネットワークに接続後またOSのバージョンアップを行えばいいわけです。ユーザーの環境構成等もネットワーク上に保存しておけば、OSの再インストール後そのファイルを参照して、以前の状態に戻すことができます。

 現在、一部のインターネット端末は既にこういった形態をとっていますが、これがパソコンでも実現できるようになれば、もうちょっとパソコンの敷居が低くなるかもしれませんね。

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